ジョイント公演レポート ウラボン「からくり湖」
続いて。
2006年5月27・28日 19:30,15:00ジョイント公演「3pieces」鑑賞 清水翼
0.この公演をあなたの友人・知人に紹介するとしたら、どのように伝えますか。
NHKの教育テレビのように毒はなく安心感がある作品。
1.作品テーマについて
からくり湖という、空想上の湖があり、そこに暮らす機械仕掛けの生き物たち。実際に見た印象もチラシに書いてあったものそのままで、舞踏と言う手段で偽の虫や両生類や生き物になるというアプローチは、面白いと思う。
2.戯曲・作、または構成について
ダンスに関する、構成と演出の違いはどうも区別しにくいので、一緒に書かせてもらいます。
・冒頭で映像(影絵)を持ってくるのは、冒頭から体じゃなくて映像なの?って感じで拍子抜け感があった。正面からライトを当てて、後ろの壁に影を出しても良かったと思う。お尻をたたかれて逃げていくシーンはドクターマリオに登場するキャラクターのような動きだった。
・この設定は湖で、海ではない。海は(海水温とか海域もあるが)いろんな生き物が入り込んでくるのに対し、湖は閉じられた世界だ。純度の高い世界の形成が可能ではあるが、別の生き物が入り込んできた場合や、異形の生き物が生まれたときとか、そういう不純物が構成要素に含まれたときも見てみたかった。
4.演者について
二人で同じ振りをしても、足の上げ具合とか、腰の落とし方といった違いが見られた。それ自体は悪いことではなく、当然のことだが、出演者は二人であり、並んで立つシーンはどうしても見比べてしまう。それが単純に柔軟性や筋力の差と見えてしまうのは、あまり印象はよくないので、どうせなら始めから違う生き物、あるいはずらした動きの方がよかった。
5.舞台美術について
具象的なイメージとなるものが、多くあった。黄色い衣装を穿いて、お尻で登場するところの使い方は良かった。ただ、(金さんの意見とかぶってしまうが)やはり全体的に美術が多いな、という印象は受けた。それが、観客へのサービス心、誤魔化し、やりたかったこと、どう思うかは人それぞれだが、私は体が見たかったので、どうしても否定的になってしまう。
6.照明について
ミラーボールや水玉の照明は、普段踊りを見慣れない人にとっては、派手さもあり、全体を通して共通していたかわいらしいイメージがあったが、「踊る」ということは、根本的に、体が一つあれば足りることで、そういう点から見ると、こちらの想像力を限定させてしまうようにも思えた。
7.音響について
民謡と三味線のシーンが一番印象的だった。ほかの音楽は歌詞のない音響だったのに、あそこだけポッと浮いていた。それがいいとか悪いではなく、シーンとして際立っていた。どの音楽も好きだった。
8.衣裳について
始めのアシンメトリーの緑・黒・ボーダーのも、着替えての傘、黄色のかぼちゃパンツも、総じて良かった。
9.受付等、会場の雰囲気について
・お金の管理の都合上、どうしても受付に人員が必要ではあったが、階段から上がってきて、あんなに人が構えていると、ちょっと引いてしまう。また、もぎりとチラシ配布の人員はもう少し効率的にできたのではないだろうか。
・チケットの処理に関して、責任者がいないときにお客さんを待たせたことがあり、客側から見たらそんなことはどうでもよく、待たされたことのほうが記憶に残る。
・「劇団員にお知り合いはおられますか?」これはタブー。
10.全体を通してよかった点
機械仕掛けの生き物とは、生物→機械で、それを人間が演じるというのは、機械→生物。生物を真似るのではなく、あくまで機械仕掛けの生物を真似る動きをすることで、いろんなズレが生まれてくる。何かを真似るということは、どこかで不自由に動くことで、二重に限定された動きを、わかりやすい形で提示しようとしていたことがよかった。
11.全体を通してよくなかった点
上で何度も書いたが、具象に走ってしまったかなと思う。最後も傘のまま終わってしまい、始めもあれで最後もあれでは、少しモノに頼りすぎかな、という印象。完全に好みの問題だが。
12.その他、この公演を観て発見したこと、興味を持ったこと、上演 団体の方にぜひ伝えた
いこと。
今回こういった形でお会いできて良かったです。身体と言葉の関係は、私もわかりません。人間って腰が高いのですよね。だからすぐに転ぶのかもしれません。
今後どういった形であれ、活動を続けられていく中で、またお会いしたいと思います。
2006年5月27・28日 19:30,15:00ジョイント公演「3pieces」鑑賞 清水翼
0.この公演をあなたの友人・知人に紹介するとしたら、どのように伝えますか。
NHKの教育テレビのように毒はなく安心感がある作品。
1.作品テーマについて
からくり湖という、空想上の湖があり、そこに暮らす機械仕掛けの生き物たち。実際に見た印象もチラシに書いてあったものそのままで、舞踏と言う手段で偽の虫や両生類や生き物になるというアプローチは、面白いと思う。
2.戯曲・作、または構成について
ダンスに関する、構成と演出の違いはどうも区別しにくいので、一緒に書かせてもらいます。
・冒頭で映像(影絵)を持ってくるのは、冒頭から体じゃなくて映像なの?って感じで拍子抜け感があった。正面からライトを当てて、後ろの壁に影を出しても良かったと思う。お尻をたたかれて逃げていくシーンはドクターマリオに登場するキャラクターのような動きだった。
・この設定は湖で、海ではない。海は(海水温とか海域もあるが)いろんな生き物が入り込んでくるのに対し、湖は閉じられた世界だ。純度の高い世界の形成が可能ではあるが、別の生き物が入り込んできた場合や、異形の生き物が生まれたときとか、そういう不純物が構成要素に含まれたときも見てみたかった。
4.演者について
二人で同じ振りをしても、足の上げ具合とか、腰の落とし方といった違いが見られた。それ自体は悪いことではなく、当然のことだが、出演者は二人であり、並んで立つシーンはどうしても見比べてしまう。それが単純に柔軟性や筋力の差と見えてしまうのは、あまり印象はよくないので、どうせなら始めから違う生き物、あるいはずらした動きの方がよかった。
5.舞台美術について
具象的なイメージとなるものが、多くあった。黄色い衣装を穿いて、お尻で登場するところの使い方は良かった。ただ、(金さんの意見とかぶってしまうが)やはり全体的に美術が多いな、という印象は受けた。それが、観客へのサービス心、誤魔化し、やりたかったこと、どう思うかは人それぞれだが、私は体が見たかったので、どうしても否定的になってしまう。
6.照明について
ミラーボールや水玉の照明は、普段踊りを見慣れない人にとっては、派手さもあり、全体を通して共通していたかわいらしいイメージがあったが、「踊る」ということは、根本的に、体が一つあれば足りることで、そういう点から見ると、こちらの想像力を限定させてしまうようにも思えた。
7.音響について
民謡と三味線のシーンが一番印象的だった。ほかの音楽は歌詞のない音響だったのに、あそこだけポッと浮いていた。それがいいとか悪いではなく、シーンとして際立っていた。どの音楽も好きだった。
8.衣裳について
始めのアシンメトリーの緑・黒・ボーダーのも、着替えての傘、黄色のかぼちゃパンツも、総じて良かった。
9.受付等、会場の雰囲気について
・お金の管理の都合上、どうしても受付に人員が必要ではあったが、階段から上がってきて、あんなに人が構えていると、ちょっと引いてしまう。また、もぎりとチラシ配布の人員はもう少し効率的にできたのではないだろうか。
・チケットの処理に関して、責任者がいないときにお客さんを待たせたことがあり、客側から見たらそんなことはどうでもよく、待たされたことのほうが記憶に残る。
・「劇団員にお知り合いはおられますか?」これはタブー。
10.全体を通してよかった点
機械仕掛けの生き物とは、生物→機械で、それを人間が演じるというのは、機械→生物。生物を真似るのではなく、あくまで機械仕掛けの生物を真似る動きをすることで、いろんなズレが生まれてくる。何かを真似るということは、どこかで不自由に動くことで、二重に限定された動きを、わかりやすい形で提示しようとしていたことがよかった。
11.全体を通してよくなかった点
上で何度も書いたが、具象に走ってしまったかなと思う。最後も傘のまま終わってしまい、始めもあれで最後もあれでは、少しモノに頼りすぎかな、という印象。完全に好みの問題だが。
12.その他、この公演を観て発見したこと、興味を持ったこと、上演 団体の方にぜひ伝えた
いこと。
今回こういった形でお会いできて良かったです。身体と言葉の関係は、私もわかりません。人間って腰が高いのですよね。だからすぐに転ぶのかもしれません。
今後どういった形であれ、活動を続けられていく中で、またお会いしたいと思います。
by tsubasahappy
| 2006-06-02 00:20
| パフォーミングアーツ